ハードコンタクトの使い方
ハードコンタクトのつけ方・はずし方
ハードコンタクトを取り扱う前に
ハードコンタクトを扱う前には爪を短く切って手や指は石鹸でよく洗い清潔にしておきましょう。特に新型コロナウィルス感染症の流行で口や鼻からだけでなく眼からウィルスが侵入することもあります。手指をよく洗うことで新型コロナウィルスの侵入を防ぐことができます。新型コロナウィルスについてはこちらのページを参照してください。
ハードコンタクトのつけかた
- ハードコンタクトをつけるときは、利き手の人差指の先にレンズをのせます。
- 同じ手の中指で下まぶたを下げ、もう一方の手の人差指で上まぶたを引き上げます
- 鏡を見ながら大きく眼を開け、黒眼にレンズをのせます。
- レンズが目に入ったら、ゆっくり瞼をおさえていた指を離してください。
- 鏡でレンズが入ったことを確認します。
ハードコンタクトのはずしかた
- 鏡を見ながら両眼を大きく開け、レンズが黒眼にのっていることを確認します。
レンズをはずす眼と反対側の手のひらを眼の下にあて、はずれたレンズを受け止める準備をします。 - レンズをはずす眼と同じ側の手の人差指で、目尻を耳側やや上方へ引っ張ります。ハードレンズが目から外れるの は 上まぶたと下まぶたのフチにレンズが上下からはさまれて弾力で出るのです。上下まぶたのフチにレンズが上下からはさまれるようにしましょう。
- レンズがはずれる時、飛び出して下に落ちてしまうことがあります。レンズを外す時はできるだけテープルに近づいてレンズが落ちてもテーブルの上にのるようにしましょう。
- ハードレンズを使う上で一番苦労するのがこの外し方です。慣れるまで初めのうちは外れなかったり、外れても勢いよく飛び出したりで苦労します。頑張って慣れましょう。
ハードコンタクトを外す時にスポイトを使ってはずす方法も指導しているところもあります。ただスポイトが汚れてしまったり使い方を間違えると却って目を傷つけることもありますので気をつけましょう。
ハードコンタクトがずれた時のなおしかた
- 鼻側にずれた時は鼻側に鏡を持ち、眼を大きく開けて、顔は正面に向けたまま、横目で鏡を見ます。人差指で目尻を押さえ、まぶたの上からレンズの端を固定させます。 顔は動かさず、鏡に映った眼を見ながら鏡をゆっくり耳側まで動かすと、レンズは黒眼に戻ります。
- 耳側にずれた時は耳側に鏡を持ち、眼を大きく開けて、顔は正面に向けたまま、横目で鏡を見ます。人差指で目頭を押さえ、まぶたの上からレンズの端を固定させます。顔は動かさず、鏡に映った眼を見ながら鏡をゆっくり鼻側まで動かすと、レンズは黒眼に戻ります。
- 下方にずれた時は利き手と反対の手で上方に鏡を持ち、眼を大きく開けて、顔は正面に向けたまま、上目で鏡を見ます。 利き手の人差指で下まぶたを押し上げ、まぶたの下からレンズの端を固定させます。 顔は動かさず、鏡に映った眼を見ながら鏡をゆっくり下方まで動かすとレンズは黒眼に戻ります。
- 上方にずれた時は利き手と反対の手で下方に鏡を持ち、眼を大きく開けて、顔は正面に向けたまま、下目で鏡を見ます。利き手の人差指で上まぶたを押し上げ、まぶたの上からレンズの端を固定させます。 顔は動かさず、鏡に映った眼を見ながら鏡をゆっくり上方まで動かすとレンズは黒眼に戻ります。
ハードコンタクトは、ずれても目の裏側にはいきません
ハードレンズがずれて目の裏側に行ってしまうのでは?と心配する人がいるかもしれません。でもご安心ください。目は角膜と結膜で袋状になっていて裏側に回ることはありません。いくら奥に行っても必ず袋状になった最後のところで止まります。
★レンズがずれてなかなか戻せなくてもあわてなくて大丈夫。白目は大変丈夫です。角膜という黒目よりずっと頑丈で強膜というくらいです。表面を覆っている結膜が充血しやすいので色に驚いてあわててしまうかもしれないけどちょっとやそっとでは大丈夫。
★ずれた時はレンズを真上から押さないでください。上から押すとレンズと白目(結膜)の間の空気が抜けて真空状態になり貼り付いて取れなくなります。
ハードコンタクトの扱い方
- ハードコンタクトを持つときは親指・人差し指・中指の三本で持ちます。
- ハードコンタクトを落とした時は、あわてて動き回るとレンズを踏んづけて破損してしまったり、無理に拾い上げて傷をつけてしまうことがあります。指先にほんの少し水をつけて濡らして水の着いた指でレンズに軽く触れればレンズは水の表面張力で指にくっつきます。手前へ引きずるように拾い上げると傷がつきます。
- ハードコンタクトは慣れるまでゴロゴして痛かったり、白目のほうへずれてしまったり、まぶたに触れただけで飛び出したりしまったりで大変です。
- ハードコンタクトを入れてすごく痛いときは目にゴミやほこり、塵が入った場合です。レンズを外してもう一度レンズを洗浄してからつけてみましょう。
ハードコンタクトのケア方法
ハードコンタクトのケアの方法には「つけおき洗浄」と「こすり洗い洗浄」があります。「つけおき洗浄」はレンズをケースにしまった後に「つけおき洗浄」専用の洗浄保存液を入れておくだけ。簡単ですが「つけおき洗浄」では取れない汚れもあります。こんな場合は「こすり洗い洗浄」が必要になることもあります。「こすり洗い洗浄」には洗浄力の強い洗浄液がありますが、つけ置いた後「つけおき洗浄」液でこすり洗いしてもかなり効果があります。置いとくだけではだめで、指でこする物理的な力も時として必要です。
つけおき洗浄と保存の方法
つけおき洗浄は酵素の力によって、汚れを落とします。 洗浄・保存液と酵素液を組み合わせて使用するタイプと洗浄・保存・タンパク除去が1本でできるワンボトルタイプがあります。
- 手指を石けんできれいに洗い、よくすすぎ、しっかり水を切ってください。
- レンズケースを水道水できれいに洗いレンズケースにセットします。
- レンズ装用まで少なくとも4時間以上そのまま放置してください。
ハードコンタクトのこすり洗い洗浄
ハードコンタクトはつけおき洗浄だけだでは汚れが取れなかったりすることがあります。こすり洗いによって物理的に汚れを落とすことも必要です。
- 目からはずし手のひらの上にレンズの内側を上にして乗せ、洗浄液を4~5滴落とします。
- 指でコンタクトレンズを前後左右に動かして、泡立てるように約30回こすります。このとき中指を人差し指に添えてあげるとレンズが固定し洗いやすくなります。
- レンズの内側(目に触れる面)はきき手の親指、人差し指、中指の3本でコンタクトレンズをはさみ、レンズの内側を親指の腹で泡立てるようにやさしく約30回ほどこすります。
- 水道水で洗浄液のぬめりがなくなるまでよくすすぎます。
- 保存液を満たしたレンズケースにレンズを保存します。
こすり洗い時の反転にご注意!
ハードコンタクトを洗浄するとき強い力で押しすぎると破損したり、場合によっては反転することがあります。
また、洗浄時に熱湯を使ったり、布で強くこすったりすると摩擦熱で反転することがあります。
反転すると傘が強い風で「おちょこ」になるのと同じように薄い洗面器のような形状になります。
とても目に入れられる形状ではありません。そこで、慌てて押し戻して元の形状にするのですが
こうなってしまうと戻しても快適に使用することはできません。ハードレンズを反転させてしまうと戻しても
レンズのベースカーブが変わってしまいます。例えばBC7.85のレンズを反転させて戻してBCを測定するとBC7.40になっていたりします。
レンズの外見上は異常がなく見えても、拡大鏡で丁寧に観察するとレンズの表面にクラックができれいることがほとんどです。
レンズを光に透かしながら見ると光が乱反射するのがわかります。当然こうなってしまったハードレンズは使うことはできません。
ハードコンタクトの装用のスケジュール
ハードコンタクトは慣れるのにしばらくかかります。装用時間は初めの日は4時間、2日目は5時間、3日目は6時間という具合に徐々に増やしていきます。最高は14時間から16時間くらいが理想です。もし、慣れても使わない日が5日以上続いたら初めに戻って4時間からスタートしましょう。
ハードコンタクトに慣れるまで
- ★風の強い日は目が痛い ・・レンズと角膜の間に砂埃が入るため敏感な角膜(黒目)をその砂埃でこするからです。この時の角膜の状態を拡大するとミミズが這った様な跡が角膜についています。ただ、この小さな傷はすぐ治ってしまうので心配はいりません。
- ★車のライトがまぶしい・・ハードをつけはじめたころは夜になると車のヘッドライトがものすごく眩しいものです。理由は夜暗くなると黒目の真ん中の瞳孔が拡がるためハードレンズの周辺部でものを見てしまうので乱反射して眩しいのです。ハードコンタクトを初めて使う人は慣れるまで夜の運転には注意しましょう。
- ★スポーツをするとズレル、落ちる・・ハードコンタクトは目の中で動くので激しいスポーツをするとずれたり落ちたりします。慣れるとともにレンズの動きも安定します。
研磨剤入りのハードコンタクトの洗浄液は注意
メニコンのハードの全てとシードS1はレンズの表面がうるおい感を保てるように表面処理のコーティングがされています。研磨剤入りの洗浄液でこするとコーティングがはげてしましまいます。メニコンのハードとシードS1には研磨剤入りの洗浄液を使わないでください。